沖縄セルラー電話はKDDIの子会社で、沖縄県内でauブランドの通信事業等を展開しています。「地元に全力」がキャッチフレーズで、沖縄県内の携帯シェアは50%超、47都道府県で唯一ドコモを凌駕しています。
増収増益連続増配の「3増」と配当性向40%超を経営目標に掲げており、連続増配を明確に方針としてる掲げる数少ない企業のひとつです。フリーキャッシュフローを原資とした配当額にはまだ余裕がある(2022年3月期には賃貸ビルが竣工予定)ことを考慮すれば、会社の方針通り当面は増配が続くものと予測します。
業績予測はやや保守的ですが概ね正確かつ誠実です。業績安定・財務盤石の優等生的な投資先で、日本の連続増配企業ランキング上位で株主優待制度もあります。
2022年3月期 第2四半期決算
・営業収益は+2.6%、営業利益は+20.9%で増収増益、ともに過去最高
・会計基準変更の影響を除くと、営業収益は+8%程度
・各事業とも順調
・通信ARPUは減少したが、付加価値ARPUやauでんきの伸長と販売コスト減で大幅に増益
競争激化の影響もあって利益の中核となるモバイル通信ARPUが頭打ちのようですが、海底ケーブルや賃貸ビルからの収益等で本業をカバーする体制が完成しつつあり、賃貸ビルも間もなく竣工します。期初にかけて上昇していた解約率は低下の兆しがあり、安心できる決算だと思います。
2022年3月期 第1四半期決算
・営業収益は+5.0%、営業利益は+23.9%で増収増益
・会計基準変更の影響を除くと、売上に相当する営業収益の伸びは+10~13%程度
・客単価は微減だがauでんきが伸長して売上=営業収益が増加
・販売コストの減少により営業利益は大幅に増加
・客単価を、各種ブランドを加重平均値した「マルチブランド総合ARPU」ベースに変更
・モバイル契約の純増数は前年同期比で73%減だが、概ね想定通り(=販売コスト減?)
・モバイルの解約率は0.82%と高水準だが、4月をピークに落ち着きつつあり
・固定回線は特殊要因(テレワーク急増)があった前年と比較して純増数減だが想定超で推移
予想外に営業収益と営業利益が伸びています。モバイルの競争が激しいようですが、それが一方では販売コスト減に寄与しているようにも見えます。大幅な営業利益の増加は先行投資が減ったことも一因と思われ、もし長引くようだと少し心配ですね。固定通信は順調で、auでんきを活用した囲い込みも着々と進んでいます。事業環境が厳しですが、経営の安定感は損なわれておらず今後も安心して保有できそうです。
2021年3月期 決算
項目 : 1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+2.5% → +4.8% → +6.7% → +9.0%
営業利益:+4.2% → +4.7% → +7.4% → +3.5%
経常利益:+4.5% → +5.0% → +7.6% → +3.5%
純利益 :+4.1% → +5.7% → +12.4% → +6.6%
総合ARPA:7,049円 →7,126円 →7,172円 → 7,184円
第4Qで増益率が下がりましたが、各事業分野で掲げられた定性目標もクリアできており、平穏な着地といえそうです。記念配当を含む増配が発表されたほか、社長の交代もリリースされました。
モバイル事業では、純増数が鈍化したものの上方修正された目標をクリアし、総契約数が伸長しました。総合ARPAも着実に増えており、契約数と客単価アップの効果で事業は順調です。ただし足元では競争の激化により解約率が若干上昇しており、地元密着型の実力が試されようとしています。固定通信とauでんきは好調です。
決算説明会も視聴してみました。営業利益の実績値は、1月に上方修正された営業利益の予想額を5000万円下回りましたが、これは3月の営業が好調で費用が先行した結果であり、ポジティブな現象であるとの説明でした。期待していた新しい自社株買い実施のリリースはありませんでしたが、建設中の賃貸ビルが今年度竣工するので、そこで使う資金もあるのでしょう。いずれビルの稼働によりキャッシュ創出力が向上しますから、来年以降また自社株買いの実施もあり得ると思います。
2021年3月期 第3四半期決算
項目 : 1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+2.5% → +4.8% → +6.7%
営業利益:+4.2% → +4.7% → +7.4%
経常利益:+4.5% → +5.0% → +7.6%
純利益 :+4.1% → +5.7% → +12.4%
総合ARPA:7,049円 →7,126円 →7,172円
新型コロナで苦戦する企業も多い中、沖縄セルラーの業績は順調です。例年通りこのタイミングで業績の上方修正も発表され、文句なしの内容です。営業利益や経常利益の伸び率よりも純利益の伸び率が高いのは、吸収した事業会社の繰越損失を有効利用しているためです。
主力のモバイル事業は、この段階で契約純増数が通期予想を超過しました。2台目需要の着実な伸長により客単価も上昇しています。UQブランドを含めた携帯稼働数は伸びていますが、前回の決算資料の時には掲載されていたauブランドの携帯稼働数(前回は微減)のグラフが今回は非掲載となっています。auブランドの契約数は引き続き減少しているのかもしれませんね。今回の決算での唯一弱いなと感じた部分がここです。
固定通信も好調で、通期予想を上回って契約回線数が増えています。囲い込みツールと思われるauでんきも予想以上のスピードで契約が増えている模様です。
主力auブランドの頭打ち感が気になりましたが、海底ケーブルやauでんきと言った新規事業が業績を押し上げており、近い将来には旭橋駅資金の新鋭ビルも収益に貢献してくれるはずで、投資先としての安定感は損なわれていないものと考えます。競争激化による収益性の低下も懸念事項ですが、沖縄セルラーは保守的な業績予想を出す傾向にあるので、それも考慮したうえで修正業績予想を出しているものと予想します。したがって修正業績予想の精度に問題はなく、むしろそれを上回った着地をする可能性が高いと考えます。
大番狂わせがなければ、期末配当は77円から83円くらいに上方修正、来期の配当も通期で166円程度は期待できそうで楽しみです。
2021年3月期 第2四半期決算
項目 : 1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+2.5% → +4.8%→
営業利益:+4.2% → +4.7%→
経常利益:+4.5% → +5.0%→
純利益 :+4.1% → +5.7%→
総合ARPA:7,049円 →7,126円
1回休んでしまったので半年ぶりの更新です。新型コロナで多くの企業がダメージを受けていますが、沖縄セルラーは営業収益も利益も過去最高を更新し、業績は好調です。モバイル、固定回線、ライフデザインの各分野での進捗も当初予想以上とのこと。
売上高に相当する営業収益に関しては、法改正や新型コロナの影響で端末売上が減りましたが、新規事業のauでんきや海底ケーブル、既存通信事業の底上げで前年比4.8%増加しました。営業コストの増加を売上増でカバーした結果、営業利益は4.7%増えています。
株主として十分満足できる内容ですが、強いて弱点を挙げるとすれば、auブランド携帯の稼働数が前四半期より減少した点でしょうか。明確な数値は出ていませんが、前四半期は新型コロナの影響か解約率が低かったため、その反動で解約が増えたようです。微増トレンドを維持できるかどうか、ここが次回決算の見どころとなりそうです。サブブランドのUQモバイルは好調です。
固定回線に関しては、契約数が予想以上に伸びていることに加え、単価も上昇しています。決算説明会でのコメントによると、これは単価が高い戸建での契約が増えているのが理由とのことです。
最近注力しているauでんきの契約件数も好調です。以前沖縄出張に行った際によくCMを見ましたがその効果なんでしょうかね。この分野単独で利益を出すというよりは、囲い込みのツールという位置づけだと思いますが、どれほど効果があるのか興味があります。
不透明な経済環境ではありますが、各事業は当初予想よりも好調で通期業績予想に対する進捗率は高く、次回決算発表のタイミングで業績を上方修正してくるものと予測します。増配発表は例年通り来年4月になると思います。
2020年3月期 決算
項目 : 1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+2.5% → +2.4%→ +1.7%→ +1.5%
営業利益:+2.3% → +3.9%→ +8.0%→ +7.9%
経常利益:+2.1% → +3.7%→ +7.7%→ +7.3%
純利益 :+0.2% → +0.6%→ +8.5%→ +5.9%
総合ARPA: 6,900円 →6,991円→ 7,022円→ 7,045円
1月に開示した修正予想を上回るよい決算です。いつものことですが、沖縄セルラーの決算の着地は見事です。
営業収益(=売上)の伸びが低いですが、これは法改正により端末販売が制限された影響でしょうか。大黒柱である電気通信事業の営業収益は+3.9%ですが、付帯事業の端末販売が減ったためトータルで+1.5%という流れです。しかし端末販売は従来からさほど利益に貢献できていなかったので、大きな問題ではないでしょう。決算説明会の音声配信によれば、電気通信事業における営業収益増のうち、携帯回線と固定回線の割合は半々とのこと。少しずつ純増数が鈍化している携帯回線の伸びを、固定回線の伸びで補っているようです。
客単価である総合ARPAもいい感じで伸びています。相対的に採算の良いスマホ回線の割合が増えていること、2台目需要の掘り起こしができていること、割引期間が終了した回線が増えていることが背景にあるとのことです。
新しい材料としては今年4月から稼働している海底ケーブルでしょうか。音声配信では今年度の予想売上を約10億円としています。2020年3月期は海底ケーブルへの投資で少しキャッシュがきつかったかもしれませんが、5年くらいで投資額を回収できるみたいです。
徐々に鈍化するであろう携帯回線の伸びを補うべく、先手先手で手を打っているようです。固定回線や海底ケーブル、最近始めた事業だとauでんきがそれで、建築中のビルもいずれ貢献してくれるでしょう。経営に抜かりがありません。
増配も発表され、今年度の配当は154円の予定ですが、いつものパターンだと最終的には160円くらいになるでしょう。曖昧な配当政策を打ち出す会社が多い中、はっきりと連続配当を経営目標に掲げる沖縄セルラーの姿勢はとても印象が良いです。おまけに20億円の自社株買いも行われる予定です。
株主優待のおかげでしょうか、いつの間にか株主数も1万人を超えています。個人投資家の認知度も上がってきているのではないでしょうか。今年度の業績予想も控え目ですが、沖縄セルラーは当初予想を超える頑張りを見せてくれると期待しています。
※2020/4/28 海底ケーブルに関する記載を一部修正しました。
2020年3月期 第3四半期決算
項目 : 1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+2.5% →+2.4%→+1.7%
営業利益:+2.3% →+3.9%→+8.0%
経常利益:+2.1% →+3.7%→+7.7%
純利益 :+0.2% →+0.6%→+8.5%
総合ARPA: 6,900円 →6,991円→ 7,022円
第3四半期は利益がグンと伸び、客単価も7,000円を超えてきました。例年と同じですが、このタイミングで通期業績が上方修正されました。次回の本決算発表時には配当も上方修正されるでしょう。沖縄セルラーは決して派手な会社ではないですが、とにかく安定感が凄いです。
モバイル、固定通信ともに順調で、解約率が大きく低下しています。客単価の増加は2台持ちの人が増えていることが背景のようです。多額の投資をして敷設した海底ケーブルは4月から利用可能となりますが、固いところで来年度は10億円程度の売上になるとのこと。来年度も期待できそうです。
2020年3月期 第2四半期決算
項目 : 1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+2.5% →+2.4%
営業利益:+2.3% →+3.9%
経常利益:+2.1% →+3.7%
純利益 :+0.2% →+0.6%
総合ARPA: 6,900円 →6,991円
派手な成長ではないですが、堅実に業績が伸びています。いつも通り安心できる内容というのが私の印象です。以下、説明会も視聴した上でのコメントです。
沖縄のマーケットでは携帯の純増数の確保が厳しい状況らしいのですが、何だかんだで総契約数はじりじりと増えています。加えて一人で複数台を持つ人が増えている効果もあり、増収増益という流れです。
固定通信も前年比で10%近く契約数が伸びています。そのうち自前の回線とNTTの借用回線の比率は半々で、徐々にNTT借用回線の比率が高まっているとのこと。社長の解説によると、固定回線の伸びが業績アップに貢献しているようです。固定通信もだんだんと稼げる事業になってきました。
純利益の伸び率が低いのは、前期に比べて竣工した工事が少なく、設備投資減税分が剥落したことが原因とのこと。竣工時期が4Qに偏っているそうですがそれも予定通りとのことでした。
全般的に事業は順調と思われますが、沖縄の通信マーケットがシュリンクしているとのコメントもあったので油断は禁物です。でもそんな環境でもしっかり結果を出してくるのが沖縄セルラーという会社です。投資判断に変更はなく、引き続き保有を継続していきます。
2020年3月期 第1四半期決算
項目 : 1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+2.5% →
営業利益:+2.3% →
経常利益:+2.1% →
純利益 :+0.2% →
総合ARPA: 6,900円 →
売上(営業収益)と利益は、地味ながらも着実に伸長しています。会社の認識も「順調な滑り出し」とのことで、さすが優等生銘柄といったところです。
注目したポイントは2つありまして、まず一つ目は客単価に相当する総合ARPAが伸びていることです。前年同期が6,672円で今期が6,900円、通信ARPAも付加価値ARPAも順調に伸びていますが、これは結構な伸び幅だと思います。客単価を落とさずに総契約数も着実に増やせているので、事業の基盤は固いと考えてもよさそうです。固定通信の方も順調です。
もう一つの注目点は、将来に向けての投資が進捗していることです。数年がかりの工事になりそうな那覇市内でのビル建設と、年度内竣工予定の海底ケーブルの敷設が新規の2大プロジェクトと思われ、親会社のKDDIに貸していたお金を引き上げて、この新規プロジェクトに回している様子です。海底ケーブルの方は来年度から収益に貢献してくれそうですが、投資効率がどれほどなのか気になるところです。順調にいけばこれも将来の配当底上げに貢献してくれるので楽しみですね。
決算説明会の音声配信もあると思うので、追加の情報があればアップデートしたいと思います。
【決算説明会を聴いての追記】
・経営目標 に「配当性向40%超」が追加された
・固定回線の契約増が増益に結び付いている
・ARPAの増加は一人当たりのモバイル数=1.5台の増加が貢献
・高額料金プランの割合が増え、期間限定割引が終わったことも貢献
平成31年3月期 決算
項目 : 1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+4.9% → +5.1% → +3.2%→ +2.8%
営業利益:+13.1% → +10.5% →+5.9%→ +4.0%
経常利益:+13.7% → +10.9% →+6.4%→ +4.8%
純利益 :+17.5% → +15.1% →+6.9%→ +7.9%
総合ARPA: 6672円 → 6754円 → 6806円→ 6826円
よい内容だと思います。売上に相当する営業収益、営業利益、経常利益は業績予測からちょっとだけ上で落着、この読みの精緻さはこの会社の特徴ですね。7期連続の増収増益となり、増配も発表されましたので株主としては文句のない決算です。
一方、今期予測では減収が見込まれています。法律によって端末販売方法が変更されることや楽天の参入、ドコモ新プランへの影響を考慮して保守的な見積もりとなっているようです。利益はほぼ昨年度並みです。しかし、会社の目標として増収増益増配を掲げていることもあり、最終的には頑張った結果を出してくれそうな気がします。また、今年度は海底ケーブルに50億円ほど投資するとのことです。決して軽い投資とは言えませんが、親会社に貸している資金を一部取り崩せば問題なく乗り切れそうなので、心配する必要もないと考えます。
決算説明会も聞いてみましたが、今後の配当性向は40%超が目安(従来は35%超)になるようです。一過性の要因を排除すれば、FCF>配当総額というバランスは当面維持できそうですし、いざとなれば親会社に貸している資金を回収して手当てすることも可能なので、今後しばらく増配は続くものと予測します。ということで、引き続きホールドの方針に変更はありません。
平成31年3月期 第3四半期決算
項目 : 1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+4.9% → +5.1% → +3.2%→(+0.5%→2.0%)
営業利益:+13.1% → +10.5% →+5.9%→(+0.4%→3.6%)
経常利益:+13.7% → +10.9% →+6.4%→(+0.3%→3.9%)
純利益 :+17.5% → +15.1% →+6.9%→(+0.6%→1.8%)
総合ARPA: 6672円 → 6754円 → 6806円→
例年通り、3Q決算で小幅な上昇修正を発表してきました。徐々に前年同期比の増益率が縮小していますが、おそらくこれは前年度の特殊な利益の上がり方が原因と思われるのであまり心配する必要もないと思います。会社説明会でも業績は順調とのことでしたし、まあ大丈夫かと。災害被害があったり特損を計上したりしてもしっかり利益を出せてますし、次の本決算でも予想より少し上の数字を出してくれるでしょう。楽しみです。
項目 : 1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+4.9% → +5.1% → →(+0.5%)
営業利益:+13.1% → +10.5% → →(+0.4%)
経常利益:+13.7% → +10.9% → →(+0.3%)
純利益 :+17.5% → +15.1% → →(+0.6%)
総合ARPA: 6672円 → 6754円 → →
第2四半期決算も順調といえる内容だと思います。トップラインの営業収益も堅調で、まだ成長余力があると判断できます。1Qに比べて2Qの利益の伸び率が落ちていますが、これは昨年度期初の「戦略的な減収」で昨年1Qの利益が実力よりも低く出ていることが原因と思われます。昨年度は期末にかけてどんどん調子を上げていきましたから、今年度はその反動でスタートダッシュ型の業績になります。何だかんだで来年1月末の決算開示の時に上昇修正して来るものと予測します。客単価に相当するARPAもジワジワ伸びていますから、安心してホールドできそうです。
リスクとしては、政治家の介入による料金値下げの動きでしょうか。ポジショントークになりますが、基本的に民間企業の商売に官が根拠なく口出しすべきでないと思っているので、通信会社は憶することなく反論すべきところは反論して欲しいと考えています。
項目 :1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+4.9% → → →(+0.5%)
営業利益:+13.1% → → →(+0.4%)
経常利益:+13.7% → → →(+0.3%)
純利益 :+17.5% → → →(+0.6%)
総合ARPA: 6672円 → → →
第1四半期決算は順調です。結構な成熟産業であるのにこれだけトップラインの営業収益が伸びているのは心強いです。利益の伸びが良いのは、昨年の反動だと思います。昨年は「戦略的な減収」と会社が説明していた通り低めの利益でしたから、今年は元の水準まで戻ったということでしょう。
契約数がいい感じで増えていますが、特に下位ブランドであるUQモバイルの契約数が伸びているようです。上位ブランドからの乗り換えもあるようですが外部からの流入も相当ありそうな様子。キャンペーン実施で通信ARPAが微減ですが総合ARPAは微増です。これで契約数増×客単価増(ARPA)という数式になります。固定回線も想定以上に契約が取れているようで、こちらも客単価を維持できています。堅調な決算で安心できる内容だと思います。さすがポートフォリオの中の優等生銘柄です!決算説明会の動画が配信されたらコメントを追加する予定です。
【8/4 追記】
決算説明会の配信を聴いてみました。連結納税や投資減税の効果で、税金が少し軽減されたとのこと。ECの売上が伸びていないですが、今後の展開に期待したいです。
項目 :1Q → 2Q → 3Q → 4Q
営業収益:+2.2% → +1.8% → +3.8% → +3.4% 652億円
営業利益:-14.3% → -6.0% → +0.9% → +6.4% 124億円
経常利益:-14.4% → -6.0% → +0.9% → +6.4% 125億円
純利益 :-13.7% → -9.5% → -1.9% → +8.1% 86億円
総合ARPA: 6650円 → 6708円 → 6720円 → 6715円
第1四半期はドキッとしましたが、会社の説明通り徐々に調子が上がって最終的には増収増益、過去最高益での着地でした。素晴らしい!
客単価アップと契約数のアップでトップラインの営業収益が伸びている点は安心です。解約率は横ばいで、格安スマホに喰われるのでは?という心配も杞憂だったようです。固定回線の伸び率は鈍化しましたが、こちらも契約数は増加中です。オペレーション上大きく懸念されるような問題もないようですし、さすが優等生銘柄です。
増配も同時に発表されました。予想以上の増配となりまして、前期は117円、今期は124円の予想です。敢えて数字を1円単に刻んできたところに会社側の熱意を感じます。今回から3増(増収、増益、増配・・3太郎に掛けてる?)という経営目標を打ち出してきたので、今後しばらくは増配トレンドが続くでしょう。
今期は、営業収益+0.5%増、営業利益+0.4%という控えめな予想です。しかし1年前も営業収益+0.1%、営業利益+2.5%ととして記事冒頭の結果でしたから、結局は今期も上方修正してくるものと予想します。
投資判断に変更はなく、引き続きホールドしていくつもりです。
【決算説明会メモ】
・FCFの減少は、割賦販売で回収期間が長期化した影響が大きい
・今期のFCFの減少予想は、割賦販売の影響に加えて前期末に集中した設備投資の支払いが考慮されている
・今期はキャンペーン実施によるARPA減少を見込む
・不動産業に参入=那覇市内で供給がない賃貸事務所ビル・データセンターを作る予定
項目 :1Q → 2Q → 3Q
営業収益:+2.2% → +1.8% → +3.8%
営業利益:-14.3% → -6.0% → +0.9%
経常利益:-14.4% → -6.0% → +0.9%
純利益 :-13.7% → -9.5% → -1.9%
第1四半期決算の頃から、会社側は「戦略的な増収減益」という説明をしてきましたが、その説明通り徐々に調子が上がってきました。長年投資していると分かるのですが、会社には信用して良い会社とそうでない会社があり、沖縄セルラーは前者に属しているものと思います。
大幅というわけでもありませんが、売上、利益ともに通期業績の増額修正も行われました。株主としてはありがたいです。
固定回線の伸びが鈍化している点は心配ですが、それを除けば懸念点もなく、よい決算だと思います。近いうちに決算説明会も行われると思うので、そちらも視聴してみるつもりです。
【2/11追記】
決算説明会の音声配信を聴きました。客単価が堅調に伸びており、会社側の自信が感じられる内容で安心しました。固定回線の伸び鈍化は、人口密度が高い地域での営業エリア拡大が一段落したことが影響しているようです。未展開の地域に関してはNTT回線の卸売り方式で営業を行う予定とのこと。今後の推移を見守りたいと思います。