13.読書

『株式投資の未来』を再々読

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私の株式投資の理論的支柱は、ジェレミー・シーゲル著の『株式投資の未来』です。時々読み返していますが、この本を読んで今の投資スタイルが確立されたこともあり、自分にとっては非常に大切な本です。

株式投資の初心者だと読み進むのが難しいかもしれませんが、PERなどの基礎的な概念が理解できて、多少の売買経験があればスラスラと内容が頭に入ってきます。以前も書評で取り上げましたが、備忘的に要旨を抜き出してみます。

【成長の罠】
・話題性のある国や業界、企業ほど投資のリターンは低くなりがち=「投資の罠」
・成長に目を奪われると、落とし穴(=成長の罠)に足をとられる
・国や企業が成長することと、投資家が高リターンを挙げることは、全く別の話
・成長企業の株価には既に投資家の増益期待が織り込まれて株価は高くなっている
・往々にして投資家は期待しすぎでだが、投資家の期待に応えられる企業は少ない
・結果として、企業は成長しても損をする投資家が大勢いる
・長期のデータでみると、高リターン銘柄は斜陽業界や低成長国に属しているケースが多い
・期待されない斜陽企業の株価は安いが、実際は投資家の期待以上に健闘する企業が多い
・長く続いている企業は何かが優れている=時に裏打ちされた価値がある
・投資家の期待の程度は、PERが指標となる
・リターンの良い株は、市場平均より少し上の増益期待に対して、大幅な増益を達成しているケースが多い
・ブランド力があって国際的な事業展開をしている企業の投資リターンが良好

【バリュエーション】
・投資家のリターンを決定するのはバリュエーションである
・どんな時でもバリュエーションは大事、たとえ評価対象が革新的な企業であっても
・投資家は常に客観的でなければならない
・設備投資が多すぎる業界や会社は、投資リターンが低いケースが多い

【配当】
・配当は投資家のリターンを押し上げる最大の要因
・長期投資をするなら、辛抱強く配当を再投資して保有株を積み増すのがよい
・配当は株主価値の源泉である
・配当は、下落相場のプロテクターであり、上昇相場のアクセルである
・不況の到来は、配当再投資を続ける投資家の資産形成を加速させる
・高配当株はリターンも高い傾向にある

【株式の優位性】
・長期のデータでは、株式のリターンは債券や現金、貴金属より断然に高い
・しかも長期で保有するほどリスク(=ブレ)が少なくなる
・米国における過去の株式リターンは年率7%弱の水準に収束する
・良い経営者が卓越した投資リターンをもたらしてくれる

【決め台詞】
・株式の長期的リターンは増益率そのものではなく、実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる
・株式が配当を生むとき、投資リターンが増幅する
・(百年単位だと)株式の累積リターンの97%は配当再投資によるもので、値上がり益が生み出した部分は3%に過ぎない

最後に著者は、国際的なインデックス投資と以下の投資戦略(DIV戦略)を推奨しています。
※配当重視・・しっかり稼いで配当を出してくれる銘柄を選び、配当は再投資する
※国際分散・・トレンドとして先進国から新興国へ富が移転するので、先進国の投資家は国外にも分散投資すべき
※バリュエーション・・適切な価格で株を買い続ける、成長の罠に嵌ってはいけない

著者の言わんとすることを強引に3行にまとめるとすれば、こんな感じです。
・期待しすぎて「成長の罠」に嵌るな、どんな時もバリュエーションが大事。
・投資リターン=(企業の増益率と投資家が期待する増益率の差)×配当水準
・配当は凄い重要で、これを再投資に回すと長期的に凄い効果がある

投資スタイルはひとそれぞれです。私の場合は勝ったり負けたりが続いて気持ちがくたびれたときにこの本を読み、現在の投資スタイルのヒントにしました。短期売買に疲れたけどどうすればよいか迷っている人、長期投資に興味のある方は一読の価値あり、お勧めします。

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