本日も投資先各社から決算短信が開示されています。まずは東北電力の決算からチェックしてみます。
売上高 4,558億円(前年同期比 -10.6%)
営業利益 577億円(-26.4%)
経常利益 502億円(-29.5%)
純利益 344億円(-29.0%)
減収減益決算でパッと見では残念な数字です。まず気になったのが売上が大きく落ちている点ですが、販売電力量は-1.7%と比較的軽微です。最近は省エネが進んでいるのか景気が悪いからは不明ですが、販売電力量はずっとこんな感じなので特に驚きません。販売電力量の減少が軽微なのに売上がこれだけ下がるということは、販売単価が落ちているからとしか考えられませんが、これは原油価格に連動する要素もあるので仕方ないものと思います。ということで売上についてはさほど心配する必要はないように思います。
利益も減っていますが、ここは会社の決算説明資料に詳しい情報がありました。単体の経常利益をベースとして前年と比較すると、プラス要因が石炭火力の稼働増で30億、マイナス要因は渇水の影響が80億、燃料費タイムラグが80億、マイナス金利の悪影響と思われる退職給付費用増加が69億とのことです。渇水や燃料費タイムラグ、退職給付費用は不可抗力かつ一時的要因と思われるので深刻な話ではないと思います。心配の種である修繕費の増加はありませんでした。
この四半期は結構な逆風だったようですが、それで好調だった昨年の3割ダウンなら許容範囲ではないでしょうか。過去最高益を叩きだした昨年の利益と比較しても、この四半期での進捗率は30%にも達しています。今回の決算が悪かったというよりは、前年同期の決算が良すぎたので悪く見える、というのが実情ではないかなと思います。
ということで、狼狽するないようではないですし、進捗率を考えるとむしろ好決算といえる内容だと判断しましたので、このまま安心してホールドしたいと思います。