すかいらーくに投資をする際に注意すべき点があります。優待に目が眩んでチェック漏れ、ブログで書けていませんでしたのでここで書いておきたいと思います。
皆様ご承知の通りすかいらーくは個人投資家に人気の株で、配当利回りや優待利回りが良くてPERも控え目です。しかし、財務諸表をチェックしてみると懸念点もあります。具体的には貸借対照表の資産の部に計上されている「のれん」です。
直近(2017年12月期第2四半期決算)の貸借対照表では、総資産が3,164億円ですが、そのうち「のれん」は1,461億円もあって総資産の46%を占めています。すかいらーくは国際会計基準を採用しているので通常「のれん」償却する必要がなく、その分利益が多くなります。ただし、資産の減損が発生していると認められた場合には話が別で、この場合は損失計上が必要となります。キャッシュアウトが伴う損失ではありませんが、ひとたび減損計上となればBSは大きく痛み、自己資本比率が一気に低下するリスクがあります。資本の部は1,186億円で、1,186億円以上の「のれん」の減損計上が必要と判断されれば、債務超過になってしまいます。
例えば、何か事件や事故が起きて客離れが深刻化した場合には減損計上という話になるかもしれません。本業での資金繰りが苦しくなるだけではなく、ダブルパンチで減損計上という仕打ちになるので目も当てられません。本業が順調な限りは顕在化するリスクは少ないと思いますが、すかいらーくに投資する投資家は、こういうリスクがあることを承知したうえで投資の可否を判断する必要があります。
以上を踏まえたうえでの私の判断はこうです。
・本業が順調である限り「のれん」は減らない(=費用化されない)ので、会社は慢性の持病と思って「のれん」と付き合っていくしかない。
・早急な解決は難しく、コツコツ本業で稼いで「のれん」を凌駕する純資産を蓄えるしかないと思うが、これには10年単位の時間が必要。
・時間の経過で深刻度は低下するが、10年かけて病気を治していく根気が必要で、その感に営業面で危機があるとヤバイ。
・キャッシュフローの状態は良いので、すぐに問題が発生するようには思えない。
・あまり多く持ち過ぎず、この銘柄に関してはすぐ逃げられるような体制で投資を続ける。
すかいらーく、安いなあと思いましたが、それなりの理由があったということでしょうか。。皆様もよくご検討の上で投資の判断をしていただければと思います。
この論点に関しては「もちづき」さんからご指摘を頂き記事化してみました。この場を借りてお礼申し上げます。

コメント
コメント一覧 (2件)
わたしのコメントからわざわざ記事にしていただきありがとうございます。
主にのれんの償却リスクについて記事にしていただきました。
私の考えるすかいらーくの問題点はのれんの減損リスクもありますが、
もう少し別のところがあります。
それは「ほぼ実態のない資産が相当な割合を占めているのではないか」
ということです。
他企業を買収した際ののれんであれば、資産計上しても問題はないでしょう。
(なぜほぼ国内企業なのにIFRSで償却から逃れるのかという点は置いておいて)
ただ、ここののれん代には、依然MBOの時に生じた、「MBO前の旧すかいらーく買収時ののれん」という
ほぼ資産価値の無いのれん代が入っているとのことです。
これは全く実態の無い資産だと思います。
のれん代の資産価値評価は分かれるところですが、私はPBRや解散価値的な意味では、
実質債務超過に近い会社だと判断します。
(減損するしないに関わらず)
もう一つは、IFRSでのれんの償却から逃れたり、財務が悪く借入金も多いのに、配当性向50%以上にしてみたり、
株主優待をいきなり大盤振る舞いにしたり、かなり「素人騙し感」が強いということです。
これで素人個人を誘い、べインの売り出しを売りつけるというのが見え見えです。
べイン売り出し後に優待がそのまま存続する保証はありませんし、かなり怪しいと見るのが妥当ではないでしょうか?
ということです。
確かに優待配当利回りは良く、優待は消費しやすいので魅力的ですが、ちょっと怪しすぎるので、私は近づかないという判断です。
このところ人件費も高騰していますし、国内外食産業も飽和産業なので、成長性もあまり無いと思いますし。
飽和産業でも、携帯電話会社のように豊富なキャッシュフローがある業界ではありませんし、
流行り廃りが激しく、食中毒や食品偽装の問題は大きな業界のリスクです。
良くて現状維持かなぁ。
もちづきさん
追加のコメントありがとうございます。
コメント頂いた通り、すかいらーくののれんは普通ののれんでないという点に同意です。
要はファンドに食い物にされ、金を抜かれた状態と理解しています。酷い話です。
のれんの資産性に疑問があることを、投資家は知っておくべきですね。
ただ、のれんの価値をゼロとみなしても、利益の積み上げで数年後にはリスクが減退するのではと考えています。
逆に言えばここ数年はヒヤヒヤ、投資家の考えによって投資可否の判断が分かれるかと。
私の場合は優待とかの大盤振る舞いに目がくらんでリスクに目を瞑っている部分もありますが、割と楽観的に考えています。
もう一つの論点、配当や優待がベインのまいた餌だという見立ても正しいと思います。
後は野となれ山となれという感じなんでしょうね。
ただ、この点は悪い事ばかりでもないように思うのです。
というのは、優待などで個人投資に買い進ませ、株価が高くなったら増資という手もあるからです。
(増資があるとしたら、ベインがいなくなってからだと思います)
財務が回復すれば高PERも容認され、意外と既存株主のダメージは低いかもしれません。
であれば怪しい段階の安い時に買っておくのも、リスクはあるけど面白いかなという考えです。
特殊事情のある会社ですが、私は少し株を持ったまま様子見しようと考えています。