電力会社のテーマが続きますが、中国電力の決算チェックです。
売上高 :1兆2,003億円 前期比-2.5%
営業利益:345億円 -31.0%
経常利益:194億円 -50.3%
純利益 :113億円 -58.2%
減収減益決算です。販売電力量は+0.9%なので同業他社と比較して優れています。しかし業界特有の制度的な問題で売上高は減少、経費削減も頑張ったようですが減収を補いきれず減益となりました。
中国電力は震災後も大幅な値上げ実施を行いませんでしたから、新電力への顧客流出が少ないのかもしれません。これは利用者からみると素晴らしいことだと思うのですが、反面で会社が損を引き受けているとも言えます。そのため利益率が同業他社よりも低く、今期はEPSよりも配当の方が多くなっています。BPSが少し増加しましたが、自己資本比率は低下しています。ここは自社株買いの影響でしょうか。
キャッシュフローは、営業CF<投資CFとなっています。FCFがマイナスなのは、成熟企業としてはあまり良くないと思います。財務キャッシュフローがプラスで資金調達を行い、それをFCFのマイナスを穴埋めという感じでしょうか。あまり楽な状況とは言えなそうです。 当面苦しい状況が続きそうで、ここが正念場と思われます。それでも値上げせず、減配もせずというスタンスを見ると、ステークホルダーに極力配慮するという会社の姿勢が浮き上がってきます。それを考えると減配リスクは少ないように思います。原発再稼働までこぎつけられれば一気に状況を打開できるので、もう1年か2年の辛抱です。結局時間との勝負になりますが、悪い会社ではないと思うので何とか耐えきってほしいです。 今回の決算を見ると、積極的な買い増しは躊躇するというのが本音です。買い増しが悪いというわけではありませんが、もっと状況の良い会社の株もあるので、どうしても中国電力でなかればダメという事情もないからです。必要以上に売り浴びせられた時に少し拾うスタンスで対応するつもりです。