先日発表された桧家HDの決算を熟読したので備忘的に記事にしておきたいと思います。
まず全社的な業績ですが、増収増益の好決算です。売上は2.3%増にとどまりましたが、営業利益が18.1%、経常利益が17.4%増益と好調な様子が伺えます。純利益も27%増えています。次にセグメント別の業績を考察します。
まず主力の注文住宅事業です。増税の影響が残っていたためか販売棟数は前年を若干下回りましたが、子会社合併や不採算展示場の閉鎖でコスト削減が行われた結果、増収減益となりました。売上は1.4%減ですが、営業利益は28.2%増です。営業利益率は5.8%→7.6%に改善しています。受注棟数は5.4%増、受注高は6.5%増ということで、業界的に苦戦する中でも受注は順調と言えそうで一安心です。
不動産事業は都心部での分譲が苦しい様子です。推測ですが土地の仕入れ値が上がってもエンド価格に転嫁できていないような気がします。しかし新しい試みである「街スマ」ブランドの展開が順調とのことで増収増益となりました。この分野でも子会社合併の効果が発現しているようです。パパまるブランドが増えているのでしょうか、価格帯は以前より下がって3千万円台半ばが平均のようです。
続いて断熱材事業です。日本アクアの事業領域ですね。受注は順調で売上高は10.7%増です。営業利益は6.3%増です。販管費が上昇しているようですが、原材料の値下がりや自社ブランドへの切り替えが進んで利益が伸びているようです。原材料の不具合に伴う施工不良の引当金を計上していますが、まだ解決していないみたいですね。
介護保育事業は、前四半期に続いて第4Q単独でも黒字となりました。介護事業の出血が止まらないようですが、保育事業の積み上がりや経費削減でトータル黒字、ということらしいです。上手く行けば今期は通期で黒字もあるかもしれません。2億円超の減損損失が発生していますが、恐らく介護事業由来のものでしょう。今春から展開する軽費の介護施設に教訓を活かしてほしいですね。
昨年5月の第一四半期決算発表時には決算開示延期があって先が思いやられましたが、終わってみれば比較的好調でした。コスト削減による効果が大きかったようなので、ある意味今年が正念場ともいえますが、10円の増配発表は経営陣の自信の表れと思いますので、私は今期の業績も期待できるものと考えています。もっと言ってしまうと、1年以内に60円→70円への増配もあり得ると思います。予想通りの業績であれば、という前提の話ですが、遅くても2年以内には70円配当になると思い期待しているところです。決算説明会に参加する予定なので、面白い話があればまた記事にするつもりです。