市場はまだ混乱の最中ですが、今回の失敗について考察してみました。
株式投資を行う上で判断すべきことは意外と少なく、私は以下の3つに集約されると考えています。
①何を買うか
②いつ買うか(=いくらで買うか)
③いつ売るか(=いくらで売るか)
今回の私の失敗は、これを忠実に守ることができなかった為に起きた気がします。
まず、「①何を買うか」
私は、割安に放置されている株で、将来の値上がり益が狙える株に投資することにしています。下振れが限定的なのに上振れの楽しみが大きい株、それが私の銘柄選びの基本です。もっと言えば、最悪上がらなくてもよいから、下がりにくさを持った株を選んでいます。その時にはPERやPBR、ROE、配当利回りなどを総合的にみて決めます。また、下方修正の常習犯ではないか、投資家をないがしろにしない会社かも確認します。ここまでは概ねできていると自負しています。
次に「②いつ買うか」
上記①での検討を経て、割安と判断できれば、できるだけ安い価格で買っています。市場全体が低迷していたり、セクター全体が理不尽に売られていたりする時に買います。絶対的に安い水準で買っているので、そんなに下落リスクはありません。桧家や電力株などは特に安く仕入れられたものと考えています。ここも問題はありません。
今回の問題は暴落時にナンピンをしたことにあります。絶対的に安い水準で最初の購入した後は、その後にさらに安くなった場合にのみナンピンすべきでした。今回はここ半年近くの上昇相場で「絶対的」安値圏とは言えませんでした。昨日より安いとか、先週より安いとか、「相対的」安値圏でした。でも「絶対的」安値圏ではないので、底はあっさり割れてしまった。
高値覚えして安易なナンピンを入れ、下落するとまたナンピンを入れる。救助隊のつもりのナンピンが2次遭難、3次遭難してしまい、損失が加速度的に膨らみました。そして、せっかく「絶対的」安値圏で買った分の利益が帳消しになりました。最初安く仕込めた株を基準にすれば、私は買い下がりではなく、買い上がりをしてしまったのです。結果としては、何もせずに傍観していた方がマシでしたね。同じ暴落でも、ナンピンを入れてよい局面とそうでない局面があるということが分かりました。
5月23日以降の失敗は、買うべきでない場面で買ってしまったことです。今回は相対的な安さに惑わされ、不利な戦場で勝負をしてしまいました。もし暴落がすぐ終息して利益が出たとしても、そこが不利な戦場であることに違いはありません。今後は勝負すべき場所を慎重に見極めたいと思います。
次に続きます。