今月でリーマンショックが起きてから10年だそうです。
記憶もだいぶ朧げになりましたが、当時の思い出で一番強烈なのは毎週のように取引先や同業他社が倒産したことでしょうか。会社ってこんなにあっさり潰れるんだって驚きました。資金繰りに窮したところを、銀行からも見放されて万事休すというパターンが多かったようです。イケイケどんどんタイプの積極経営の会社ほどやられました。
投資面では、為替の乱高下に巻き込まれてFXで50万円くらい損をしました。南アフリカランドの買いポジションを持っていたのですが円高が進みすぎて我慢できず、損切りをしてしまいました。めまいと吐き気がしました。リーマンショック前、ある新聞に早期退職した人が南アフリカランドのスワップで生活しているという記事が出ておりまして、それに比べればマシと自分に言い聞かせました。これで為替に懲りてFXを引退しました。
あと、Jリートで日本レジデンシャル投資法人という銘柄を保有していたのですが、スポンサーが倒産してしまって恐ろしいほど売り込まれました。利回りで50%くらいまで売られたような気がします。倒産隔離のシステムがあるので理屈上はスポンサー倒産の影響から遮断されることになっているのですが、潰れたリート(ニューシティレジデンス)もあったり市場全体に暗雲が立ち込める中で、ナンピンを実行するには凄い胆力が必要でした。結果的に腰の引けたナンピンになりましたが、日本レジデンシャル投資法人は生き残って株価も回復し、やがてアドバンスレジデンシャル投資法人(伊藤忠系)に吸収されました。結構神経がすり減りましたが、この過程の中でどうにか利益を出すことができました。
当時は割と給料をもらっておりましたので、損切りはあまりせずにナンピンをしていました。それが数年後に大きな利益になりました。精神的にはきついですが、パニック売りに買い向かうのは分の良い勝負だと思います。
リーマンショックの時ほど極端な話にはならないかもしれませんが、今後サイクル的に厳しい市場環境になることもあるでしょう。事業でも投資でも同じですが、いざという時に身の丈以上のポジションを持っていると致命傷になりかねません。あとは安定した収入源や手元資産を積み上げておくのも有効な対策の一つだと思います。最近投資を始めた人は、恐慌とか暴落に関した本(例えばこちら)を読んでイメージトレーニングするのもありです。こういう局面では冷静さを失うのが一番良くありませんから、普段からリスクを取りすぎず、保険をかけて心の準備をしておくべきだと思います。これは冬支度みたいなもので、備えがあれば不況も乗り切れますし、むしろ不況とうまく向き合えれば資産増加のペースを加速させることも可能です。
ここしばらくは投資環境が良好でしたが、企業業績や四季報を見ていると少し曲がり角に来ているような印象を持っています。これからしばらくは少し醒めた目で株式市場を眺めつつ、手堅い株の買い増しを継続していくつもりです。