持ち株のSUBARUの下落が続いておりまして、現時点では2,500円台まで下落しています。昨年購入を始めたのが3,000円台後半でしたから、既に1,000円以上下落しているわけで被害が甚大です。
ヤフー掲示板をのぞいてみると結構な売り煽りの投稿もありまして、減配するというコメントもありますし、中には無配転落というコメントもあります。私の投資戦略上、一番恐ろしい事態は配当が減ることで、改めてその恐れがないかをキャッシュフローで分析してみました。赤字になっても会社は潰れませんが、資金がショートしたら潰れます。そういう意味でキャッシュフロー分析は有効だと考えているからです。
営業CFから投資CFを引いて計算したフリーCF(以下、FCF)は、会社が配当や借入返済を行う際の原資となります。直近の第2四半期ではFCFがマイナス153億円になっておりまして、ここ5、6年の間では一番よろしくない状況であることは確かです。配当総額よりFCFの額が少ないと配当維持が難しいため、この点では減配説に一理ありそうです。しかし、私はどちらかというと楽観しており、配当は維持される可能性が高いと思っています。その理由は3つあります。
①キャッシュフロー分析の結果はこれに尽きるのですが、現時点では7000億円近い現預金があって資金ショートには程遠いです。多少のFCFのマイナスではびくともしません。苦しい今期も着々と有利子負債を減らしている(残債は約500億円で少ない)のですが、本当に苦しい状況ならばこういう芸当はできないはずです。
②以下、キャッシュフロー分析ではなく定性的な分析ですが、今年7月に発表された中期経営計画の中で、当面3年間は144円の配当維持の方針が示されていること。今月の決算説明会での質疑応答の記録を見ても、その方針は変更されていないようです。
③SUBARUは基本的に北米で稼ぐ会社であり、北米での販売は好調であること。つまり、稼ぐ力の中核的な部分は失われてないと考えています。
ということで、今年や来年は苦しい状況が続くかもしれませんが、減益要因である多額のリコール費用は一過性の費用であり、来年は増益になることが期待できます。再来年はキャッシュフローも回復してくるでしょう。それまで凌げるだけの蓄えはあるので、経営陣は安易な減配は行わず、配当を維持する可能性が高いと予測します。いずれ業績も株価も復活するでしょう。
こういう理由で私は楽観的で、長期投資で仕込むならばここ数カ月が絶好の買い場という認識ですが、新しい問題が噴出しないとも限りません。現時点での投資はハイリスクハイリターンなので、不安な方や投資経験の少ない方、投資できる資金が少ない方(いざという時の買い増しが難しい方)は避けた方が無難でしょう。