ようやく株主総会シーズンが終わりました。本業の仕事の時間を調整しながら、私はこの6月だけで7社の総会に参加したのですが、そこまでして株主総会に行くには理由があります。
5年ほど前から株主総会に出席し始めたのですが、当初は興味本位での出席でした。それから何年かたった今、私は「株主総会は、壇上に並ぶ経営陣に自分の資金を預けてよいかどうかを判断するための面談のようなもの」と考えています。
株主総会は上場企業における最上位の意思決定の場です。たいていの場合、取締役の選任が議案に入っており、換言すれば株主総会は取締役が株主に対して1年間の営業の成果を示し、信任を問う場でもあります。にも拘わらず、あまり熱心に活動状況を報告する気のない企業もありますし、株主からの質問に対して真面目に向き合う姿勢がない企業も残念ながら存在します。ホームページやIR資料に「株主のために頑張ります」と書いていても、実際に株主総会の会場に行ってみたら、全然そういう雰囲気ではなかったということもあります。
こういうことを何度か経験し、株主総会は株主として投資するかどうかを判断するためのリトマス紙であるという考えに至りました。過去には株主総会で感じた違和感がきっかけになり、主力投資先候補と考えていた企業の株を全部売却したこともあります。信用ならない人にお金を貸さないのと同じように、信用ならない経営陣に資金を預けることはできません。いくら配当や優待が魅力であっても、そういう経営陣がいる限りは大金を投ずる気になれません。
ということで、今後もできるだけ投資先の株主総会に足を運び、日常的なIRや数字からは読み取れないリスクのチェックをしていこうと考えています。遠方で開催される総会であっても、まとまった資金を投じている会社、あるいはまとまった金額を投資しようかと考えている会社の総会には積極的に参加するつもりです。交通費もバカになりませんが、それでよい投資ができるのであれば十分に費用対効果に見合うと思っています。