一昨日開示された桧家HDの決算短信のチェックです。
売上高 :43,367M(前年同期比 1Q → 2Q :+21.3% → +11.0%)
営業利益:1,340M(+64.8% → -6.9%)
経常利益:1,243M(+39.2% → -14.4%)
純利益 :335M(+49.7% → -47.2%)
3ヶ月前の第1四半期決算の時の前年同期比増減率と比較して、今回の第2四半期決算ではだいぶ減速しているような印象を受けます。ただし、売上は会社が開示していた当初第2四半期業績予測とほぼ同じ、営業利益と経常利益は予想超過という実情を考えると、さほど問題はないものと思います。第1四半期決算でのスタートダッシュが好調だった反動で少し息切れして、第2四半期が終わった時点では概ね予定通りの結果という流れではないでしょうか。しかも最終の第4四半期に比重がある会社ですし、現時点で慌てる必要もないでしょう。さて、分野別の業績もチェックしてみます。
①注文住宅事業
大黒柱的な存在である注文住宅事業では、「一部に着工の遅れが生じた」らしいですが、それでも販売棟数が4.7%増、売上が5.8%増と順調そうです。第1四半期決算における前年同期比増加率(棟数11.2%増、売上14.4%増)と比較すると物足りませんが、これは昨年第2四半期にレスコハウスが連結されたことに伴う表示上の問題だと思います。つまり、第1四半期の数字が特殊要因込みの数字で、今回の第2四半期の数字が巡航ベースの数字という訳です。着工の遅れが足を引っ張られても概ね5%成長できている訳ですから、特に問題があるようにも思えません。
一方、受注棟数は前年同期比で1.1%増、受注高は6.0%増です。特に受注棟数の伸びが低いなと感じて調べてみたところ、前年第2四半期単独の受注棟数が過去最高水準の833棟(管理人の計算による)でした。今年の第2四半期単独の受注棟数も歴代2位の804棟と決して悪くないのですが、第1四半期に受注した分と合わせて辛うじて前年同期超えです。今年の受注は好調だけれども去年が絶好調だったので伸び率が低いというのが実態ではないかと推察します。
Z空調の宣伝費や人件費、先行費用となる出展費用が嵩んで当部門の営業利益198百万円で42.4%の減益となりましたが、通期で見れば挽回してくると思います。毎年そうですしね。それにしてもZ空調は結構宣伝してますね。先日は地下鉄の車内でも見かけました。
②不動産事業
下期引き渡し予定の戸建賃貸住宅が多いらしく販売棟数は前年同期比で5.0%減ですが、収益物件販売が好調で売上高は16.9%増加しています。人件費増で部門営業利益は355百万円で前年同期とほぼ同額です。すっかり黒字体質が定着したので投資家として嬉しいです。下半期での伸びに期待したいです。
③断熱材事業
日本アクアの事業領域です。建築物部門で苦戦している模様ですが戸建住宅部門は好調で、売上は前年同期比で18.7%増加しました。部門営業利益は9.9%増で594百万円です。売上の伸びと比較すると利益の伸びが控えめですが、それでも当初会社(日本アクア)予測に比べれば利益は多いので良しとしておきます。建築物部門でも受注は改善傾向らしいので、下半期の巻き返しに注目したいです。
④リフォーム事業
売上は17.8%増、利益が29.7%増と、何気に?好調です。部門営業利益は131百万円です。規模が小さめの分野なので全社に対する貢献度は必ずしも高くありませんが、将来的には収益の柱に成長してほしいです。
⑤介護保育事業
売上が7.5%増、部門営業利益は33.6%増の112百万円です。旧来からの介護施設が苦戦していますが、新しい介護施設や保育事業の貢献で黒字体質が定着してきました。介護保育事業で減損損失が計上されましたが、これは旧来からの介護施設に関して発生したものと推察します。
パッと見だと微妙な数字もあることは事実ですが、丁寧に見ていくと実態が悪いようにも思えません。私は内容的にはまずまずの決算と判断しました。加えて先日コメントした通り、中期的には自社株買いによる指標改善効果が期待できるので、株価の方向性は上だろうと考えています。今後半年程度のうちに会社側は東証一部への上場を狙っていると思いますし、その過程で何かしらの施策を打ち出してくるでしょう。ここ半年が株価的には非常に面白い展開になるのではないかなと思います。もし小安くなる場面があれば、もう少し桧家HDを拾うかもしれません。