株式投資をしたいという相談を受けたとき、あまり株を始めるのをお勧めしない場合があります。そういうケースは、いくつかの典型的なパターンに収束します。
①絶対にお金を減らしたくない場合
株は儲かることもあれば、損をすることもあります。どんなに上手な投資家でも、百戦百勝ということはまずあり得ません。もし、お金を一円たりとも減らしたくないのであれば、投資ではなく預金をしましょう。人のお金や、家族と共同で貯めている預金を無断で投資に回すようなことはやめましょう。
②株以外で使う生活資金に余裕がない場合
例えば、来月大きな支出が控えているのに、その資金を株に回して稼ごうというケースですね。株価というのは、概して自分の期待する通りには上がりません。下手に資金を突っ込んで含み損ができると、進退窮まって不本意な損失確定に追い込まれます。初心者は損失確定することに精神的な抵抗が強く、含み損の状態が長期化するケースが多いです。銀行口座に何か月分かの預金を確保しておき、それ以上に余剰がある時に投資を考えましょう。株式投資とは、余裕資金でやるものだと考えてください。生活資金でやるものではないのです。
③元手が極端に不足している場合
昨今ですと10万円あれば買える株もありますが、資金が少ないと選択肢が限られます。例えば一銘柄一単位を買って資金が尽きたとき、いざという時には買い増しできません。投資先が何かの事件事故に巻き込まれれば、全て紙くずになります。そこまでひどくなくても、唯一の持ち株が下落続きとなると、これも心が折れてしまいます。最低でも2銘柄、安心してホールドするには、最初に30万円位は用意したいところです。というわけで、元手が10万なんだけど、という人に対しては、私はあまり株をお勧めしません。
ということで、まずは
・リスクのとれるお金を持っていない人。
・生活費に余裕がない人(=株に回したお金を当てにしないと当面の生活ができない人)
・元手が30万円以下の人
というのが、私が投資を勧めないケースです。 次回の後編で別の観点から投資をお勧めしない人の話をします。