私は20代の頃に少々会計の勉強をした経験があり、30代でも証券アナリストの勉強をしたことがあるので、基本的な貸借対照表と損益計算書の理解はできているつもりですが、キャッシュフロー計算書は何となく苦手意識があって手つかずの状態でした。これでは株式投資で不利になるだろうと考え直しまして、『決算書はここだけ読め!』(キャッシュ・フロー計算書編)を読んでみた次第です。
本書は会計の知識が少ない人にも読めるような構成で、要点でない箇所はバサバサ切り捨てている分、重要なポイントが理解しやすくなっています。キャッシュフロー計算書のツボを手早く理解したい、というニーズにぴったりの良書です。数時間あれば読めるボリュームですが、有用な財務分析の知識を吸収することができます。「株式投資をやっているけどキャッシュフロー計算書の意味や活用方法がわからない」という人にお勧めです。
キャッシュフロー計算はとても雄弁なので、きっと株式の投資判断で役に立つはずです。投資先の危険信号を早期に察知することもできるかもしれません。私も今後ブログで決算チェックの記事を書く際は、この観点からの分析も行っていくことにしました。
本書は7年ほど前に出された本ですが、事例として今話題の東芝や、数年前に事件が起きた餃子の王将の話が取り上げられています。時期的に考えて筆者は両社の後日談を知る由もないわけですが、キャッシュフロー計算書の中にその伏線があるようにも思えた点が興味深かったです。
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