昨年の終わり頃から、仮想通貨の値動きが一段と激しくなっています。とにかく凄いボラティリティですから、大儲けした人もいれば大損した人もいることでしょう。
昨年秋に書いた記事の通り、私は適正価格が分からないものに投資しないという考えで、今もそのスタンスに変更はありません。しかし、もし仮想通貨が流行りだしたのが10年か15年早ければ、まだ30歳前後だった私は仮想通貨を買っていたような気がします。流行っているからやってみようという軽いノリで取引をしていたかもしれません。
しかし遅ればせながらも一通り投資の勉強をしてバリュー投資家(と自分では思っています)となった今、自分が身に着けた投資のモノサシでは仮想通貨の価値を図ることはできず、投資したいという意欲も湧きません。ましてや投資というより投機といった方がふさわしい状態で、器用に売り買いして儲ける自信もありません。税制も不利で手数料もそれなりという環境の下、分の悪い勝負に挑む人が多いという現実には驚くしかありません。自分のモノサシが古いだけ、という可能性もゼロではありませんが、時の試練を受けて残っているモノサシの方が正しかったという、これまでに何度も繰り返されてきたことが再現される可能性の方がずっと高いと思います。
投資で成功しようと思ったら、まずはモノサシを手に入れることが大切だと思います。少しでも早く手に入れれば、それだけ損失を回避できる可能性が高まります。モノサシを言い換えるなら投資戦略とか投資哲学という感じでしょうか。もっと具体的にいえば過去の偉大な投資家が行った投資方法の中から、再現性が高い方法を真似る、取り入れるという感じです。受験勉強や資格試験に定石の攻略方法があるのと同じ理屈です。なぜか投資に関してはこれを実行する人は多くないですが、我流で試行錯誤するよりもずっと効率は良いはずです。
今回の仮想通貨バブルで損をする人も多いと思いますが、これをきっかけに投資に興味を持った人には、ぜひ自分にぴったりのモノサシを手に入れてほしいと思います。