17.雑感

ソーシャルレンディングで某社が勧告された件

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私はあまり興味がないのですが、最近はソーシャルレンディングというのが流行っているようで、投資に興味のある方の間では結構認知度が高いのではないでしょうか。

そんな中、「みんなのクレジット」という会社について、証券取引等監視委員会が金融庁に対して同社を処分するよう勧告を出したとの報道がありました。

調べてみると、匿名組合出資形式の投資スキームが採用されており、リリースでは自転車操業的な運営が指摘されたとのこと。匿名組合出資自体はファンドスキームでよく用いられるので、それ自体が怪しいという話ではありません。問題は運営会社がやってはいけないことをやっていた点にあります。

リリースを見ると信託銀行も入っていませんし、分別管理をしていなかった様子です。分別管理が徹底されていない場合、個人投資家が出資した資金が運用会社の運転資金に流用されるリスクがあり、今回はまさにそこが問題になりました。分別管理されていないと、別案件の焦げ付きが飛び火してくる可能性もあります。分別管理をしていないということは、財布が一緒ということです。つまり、A案件に投資した人が、投資していないB案件が焦げ付いた場合、影響受けることがあるということです。リターンは限られるのにリスクは際限なく負う、こんな不条理な話になります。なのでプロの投資家が投資を行うときは、分別管理ができているかをチェックするのが基本中の基本です。分別管理ができているか否かは非常に重要なポイントで、信託銀行や信託会社が関与してないようなスキームは比較的リスクが高めです。特に運営会社に信用がなさそうな場合は危険です。

それにこの会社は監査を受けていたのでしょうか。まともな投資会社や投資ファンドであればしっかり監査法人の監査を受け、その結果を公表すると思うのですが、ホームページを見てもそんな記載はないですね。こんな状況では中で何が行われているか、わかったものではありません。会社員時代に投資会社や運営会社に勤務していた経験がありますが、こういう業界には専門知識や倫理意識がない人が一定数存在していまし、中には詐欺師みたいな人もいます。だからプロの間で取引するときは性悪説をベースにスキームを組み立てます。

知識や経験の浅い個人投資家を食い物にすることに何の痛みも感じない人たちは、残念ながら実在します。そういう人たちは今後も存在し続けるでしょうから、個人投資家はそういう人たちから身を守る必要があります。異様に高いリターンには裏がありますし、分別管理や監査で外部のプロの目が届かない仕組みに投資するのはリスクが高いので、特に投資初心者の方はそういう案件を避けたほうが無難だと思います。

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