投資先の桧家HDの決算発表がありました。先月末に業績の下方修正がありまして、基本的にはその時の内容と同じですが、分野別に考察していきます。
①注文住宅
消費税増税の影響により、販売棟数と売上高は前年同期比でマイナスですが、下落率は10%以内に収まっています。一方で受注は徐々に回復してきたので、近い将来に大きく売上が減るという事態は考えにくいです。コスト削減が進んだことで営業利益率は3.1%です。一昨年は1.1%、昨年は1.6%なので、ここ数年ではよい数字です。ただし、集計方法が今年から変更になっていて、FC事業の収益も加算されているようなので、実際の改善度を反映していない可能性もあります。それでもここ数年パッとしなかった状況から見れば、今回の数字はよい数字だと思います。
②不動産
会社としては収益の柱の一つに育てたいようですが、現状は苦戦中です。減収減益ですが黒字は確保できています。在庫の回転はそんなに悪くなさそうで、薄利で何とか売りさばいているのではないかと推測します。
③断熱材
日本アクアの事業分野です。投資家の高い期待に応えきれず、増収減益決算となりました。先日の下方修正の原因はこの事業ですが、明るい材料としては営業利益が第一四半期よりも改善していることですね。
④介護保育事業
この分野はまだ赤字です。保育事業は好調のようですが、介護事業が苦戦している様子。介護事業については入居希望者が列をなすという話はもう過去のもので、桧家が運営する施設は価格面で入居率が低迷しているようです。恐らくテコ入れの成果も出ていないのではないかと予想します。
全体としては、期待の断熱材が大コケした分を、主力の注文住宅が気を吐いてカバーしたけども力及ばず、という感じでしょうか。あまり悪材料は残っていないと思います。断熱材でも特損対応分の引当金の一部が戻る可能性があります。でも劇的に利益が伸びる要素にも乏しいので、現状では業績や株価の大化けは厳しいかなと思います。