200株だけNISAで保有している中部電力の決算発表がありました。
減収ですが増益額が凄く、結果として2,300億円近い営業利益になりまして、営業利益率は15%を超えるという状況です。同時に発表された通期の純利益は1,400億円でして、平成18年に記録された過去最高益を上回るという好調さです。
しかしこの利益にはからくりがあるので額面通り受け取ることは危険です。昨年から燃料価格は下がって仕入れは下がっていますが、お客さんからもらう料金は燃料価格の後追いをする(燃料費調整制度・・・毎月電気が上がった下がったと報道れていています)ため、燃料価格の下落局面ではこのふたつの価格の間にタイムラグが生じて、大きな利益が計上されることになります。
今回の中部電力の第2四半期決算場合、この期ズレの影響は1,050億円です。これは一過性の利益でして、燃料価格が安定して推移した場合、来年以降の業績では期待できない利益になります。つまり今期の利益は下駄をはいている、ということですね。
どの電力会社でも額の大小はあるにせよ似たような状況です。私のお気に入りの東北電力も第2四半期までで340億円下駄をはいています。なので単純に今期の利益だけ見て投資判断するのはちょっと危険だと考えています。むしろこの利益が剥落するのは明らかですので、それが明らかに認識されるようになる冬から春にかけて株価は弱含むかも知れません。ここからの買い進みは少し不利な勝負になると予想しています。